相続欠格

相続欠格とは、本来であれば相続人となる人が、相続人となるべきでない事情があったときに相続人となる資格を奪う制度です。法律によって当然になされるため、相続欠格の手続は必要としません。

相続欠格事由には、５つあります。１つずつご説明していきます。

これは、被相続人を殺害した場合や、自分以上の相続順位をもつ者を故意をもって死亡させた場合、または殺人未遂となった場合に相続欠格となるという旨の規定です。

故意がなかった場合（傷害致死など）は相続欠格とならず、執行猶予だけではなく刑に処された場合に相続欠格となるという点がポイントです。

なお、①是非の判断が難しい方が相続欠格とするのは酷であるし、②殺害した人が配偶者や直系血族（親や子）であったら匿いたいという心情が働きやすいということで、上記事由の例外規定とされています。

ちなみに、殺害者が兄弟姉妹であったら例外規定に当てはまらないため、告発しなかった場合には相続欠格者となります。

これらは、被相続人の遺言の自由意思を奪った場合に相続欠格となる規定です。相続に無関係の遺言であった場合にはこれらに該当したとしても相続欠格とはなりません。

不当に利益を得ようとしてこれらの行為をした場合には、相続欠格者となります。

相続欠格となった場合には、以下のような効果が現れます。